-just after the rain-



  雨が上がったら
  皆で出掛けよう
  虹を見に



「ウ"ェ~、暇だよぉ。」
窓の外を見ながら、フェリシアーノが呟いた。
今日は朝から雨が降っている。
天気予報では快晴といっていたのに雨だ。
まぁ、元々天気予報は100%当たるわけではないのだが、やはり少し残念に思う。
「あ~あ、今日はせっかく訓練がないから皆で出掛けられると思ってたのに。」
「確かにそうだな。」
顔には出ていないが、ルートウ"ィッヒもかなり残念そうだ。
今日は久し振りに訓練が休みだったので3人で出掛ける予定だったのだ。
数日前からフェリシアーノが楽しそうに計画を練っていて、ルートウ"ィッヒも必要経費は自分が出すと言っていた。
  菊もそれなりに残念に思ったのだがあとの2人、特にフェリシアーノの落ち込みようは酷い。
ハーっと、落胆のため息をつく2人を見ながら、菊が訪ねた。
「お2人は雨が嫌いなのですか?」
菊の質問に真っ先に答えたのはフェリシアーノだった。
「ウ"ェ~、大っ嫌い。だって、外で遊べないし、なんだかジメジメするし。」
フェリシアーノらしい答えだ。
確かに、フェリシアーノには晴天の青空が似合う気がする。
 「俺もあまり好きではない。訓練が出来ないからな。」
フェリシアーノに続いてルートウ"ィッヒも答えた。
これまたルートウ"ィッヒらしい答えだ。
きっとルートウ"ィッヒの脳内の大半は訓練という言葉が占めているのだろう。
「菊は、好き?」
フェリシアーノが菊の方を見ながら言った。
「ええ、割りと好きですよ。」
それを聞いたフェリシアーノはめずらしそうに言った。
「へぇ~、変わってるね。」
「そうでしょうか?雨も風情があって良いと思いますけどね。」
納得したような顔をしたフェリシアーノは菊の顔を見ながら訪ねた。
「ねぇ、“風情”ってなに?」
その質問に答えたのは菊ではなくルートウ"ィッヒだった。
「そのもの独特の味わいのことだ。」
「へぇ~、ルートウ"ィッヒよく知ってるね。」
驚いたような目をルートウ"ィッヒに向けるフェリシアーノはまるで子供のようだった。
「それに、雨上がりの虹はとても綺麗ですしね。」
菊の言葉に大きくうなずいたフェリシアーノは、なにか思い付いたようだ。
「確かにそうだね。そうだ、雨が上がったら皆で虹を見に行こうよ。今日のお出かけ駄目になっちゃったし。」
フェリシアーノの提案に、ルートウ"ィッヒがめずらしく同意した。
「そうだな。休息もたまには必要だからな。いい気分転換になるだろう。」
ルートウ"ィッヒの言葉を聞いたフェリシアーノは嬉しそうに笑った。
「そう考えると、雨も案外いいかもしれないね。」
今度こそ本当に納得したフェリシアーノはまた窓を眺め始めた。
その横顔は、さっきみたいなふてくされたものではなく、好奇心に満ち溢れていた。